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アラサー独身女子が富士山チャレンジ~当日編~


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アラサー独身女子が富士山チャレンジ~持ち物編~ - 毎日卵かけご飯

 

この記事から随分と経ってしまったけど、いい加減当日の話を書く。

 

今回、富士山登頂はツアーを利用した。色々調べた上で何だかんだ条件が良かった平成エンタープライズさんのVIPツアーのフリープラン八号目白雲荘指定プランに。


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富士山登山ツアー・富士登山バスツアー2018 | Vipツアー(viptour)

 

7月末の日曜日という繁忙期だったこともあり料金は基本料よりちょっと上乗せされて14800円。これに帰りの温泉を追加料金500円で紅富士さんへグレードアップさせた。

ツアースケジュールは以下の通り。
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集合時間の最も遅い新宿集合、新宿解散を選択ツアーに含まれるサービスは次の通り。

  1. 富士山五合目までの往復のバス代
  2. 五合目の休憩所利用
  3. 山小屋宿泊代
  4. 山小屋での夕飯
  5. 山頂で食べる朝ご飯
  6. ペットボトルの水500ml
  7. 軍手
  8. 帰りの入浴施設代
  9. 温泉でのレンタルタオ

こうやって見るとかなりお得。山小屋の素泊まりが平均して5000円超えるため、往復寝て行けるバス付で温泉にも寄れて良いなと思った。

登山ガイドの有無は、中学生ぶりな初心者達には必要だろうと考えた。しかし、自分のペースで登れないことは逆にストレスになりそう、道は決まっているという部分からガイド無しのフリーツアーに。結果これは正解だった。

 

当日。あいにくの雨の中、早朝新宿集合。とてもとても眠い。

新宿郵便局前に10台以上のバスが留まり、ツアー担当者が参加者を確認し、乗るバスを指定される。無事乗り込んでいざ出発。窓ガラスを滑る雨を眺めつつうとうと。高速道路を順調に進み、ゆらりゆられて昼前に富士スカイライン五合目到着。

 

五合目 標高2305m

標高0mを基準として、五合目の時点ですでに酸素濃度が74%に減少している。このまますぐ登りはじめると高山病のリスクがはね上がり得策ではないため、一時間ほどゆっくり準備をしながら体を慣らす。それでも雨は止まず、さっそくレインウエアを着用。帰りの着替えや登山にいらないものは全て休憩所のコインロッカーにしまう。
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金剛棒(1100円)も手に入れていざ出発。

 

六合目までは木々もあり、火山を登っている感じは少ない。泉が谷までは緩やかな下り坂、その後の分岐で右ルートの道も険しくなく、森の中を喋りながら順調に登る。(ちなみに左ルートは林の中を遠回りするルートで同じ六合目に辿り着けるが途中星観荘があり六合目の焼き印が貰える)しかし、油断は禁物。休憩はこまめにが基本。15分毎のペースで水を飲み一息整えるを忘れない。一時間経たずして六合目には到着できる。余裕を感じる。

 

六合目 標高2390m

ここはトイレと富士山安全指導センターしかない。何もない。トイレは200円。

六合目から七合目は舗装された道が続く。細かい砂利道を歩いているようでなだらかで歩きやすい。はじめのうちは。登りながら五合目がみえたり、晴れていたら緑も垣間見えて景色もいいらしい。晴れていたら。
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私は何も見えなかった。ずっと霧。ずっとずっと霧。なので逆に高さを実感できず恐怖感もなかった。

七合目に近づくに連れて火山を登っていることを自覚する。かつての噴火でできた溶岩の岩場だらけ。ロッククライミングなんて聞いてない!膝までの高さもある岩に足をかけるのは想定外に苦労したし、あって良かった金剛棒。軍手もあってもいいかも。そして登り着いた七合目に迎えてもらえるかのように鳥居がある。
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七合目 標高2700m

鳥居をくぐってようやく2700m、高山病予防もかねてゆっくり登っているけれどスタートから三時間。空気の薄さは実感しないが、疲労感と足元の悪さからだいぶ登ったなという気持ちになる。

ここ七合目には七つの山小屋があり、焼き印は山小屋毎にデザインが違うため気になる絵柄を選んで焼いて貰うのがいい。
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雨で少し寒いのもあって、囲炉裏が羨ましくなる。暖かい飲み物やお菓子を売ってる山小屋もある。宿泊施設もかねている山小屋もあるが、山頂での御来光を希望するなら距離と時間と足元の都合からも八合目以上を薦める。何せ七合目から八合目の間も半分くらいはロッククライミングなのだ。
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それにしても天気が悪くて何も見えない。幸い、暑さと紫外線を気にすることなく登れるのは気が楽。濡れるのは腕まくりして露出した前腕くらいなので。

ロッククライミングを経て、なだらかな砂利道となる頃、少し風が出て雲が切れ始めた。ようやく本日の宿のある八合目が見える。

 

八合目 標高3000m

到着は18時。雨は止んだ。随分と時間がかかってしまったが、ここまできて高山病になったらシャレにならない。こまめの休憩で随分補給、補食は本当に大事。だってとっても疲れる。事前にほんの少しジムで下半身と持久力を鍛えたし、普段立ち仕事で毎日一万歩近く歩いているが、それでも疲れる。しかし、八合目に着いてわずかに残る雪と垣間見えた青空に第一目標への達成感。
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 このまま、この山小屋で夕飯を仮眠を済ませて深夜に登り始める。山小屋によって違うのだろうが、今回泊まった白雲荘さんの寝床はほぼ雑魚寝のような状態。一応決められているものの上下二段の板の上に一人当たり70cmくらいの幅。ぎりぎり横向ける程度で仕切りもないし、布団も数人で一枚。寝相が悪かったり、パーソナルスペシャルが広かったり、他人と寝ることが苦手な人は本当に無理だと思う。しかし、山小屋によると思うので個人手配で探せば半個室とかありそう。(事前調査では七合目にはあった)
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夕飯はほんのり暖かいハンバーグカレー。疲れすぎて美味しい気がする。翌朝食べるお弁当を受け取って就寝。

当然シャワーもないし、洗顔できるほどの水も出ない。ボディーシートでささっと拭き取る。雨のおかげで真夏なのに気温も低く汗だくにもなっていないため、不快指数は少ない。景色は残念だったが晴れてなくて本当に良かった。

 

余裕を持って深夜0時30分起床。三時間くらい目を瞑ったかな。途中から暖房と毛布が暑くて少し早く目が覚めたのだ。荷物を片付け、防寒対策をし外へ。寒い。そして、真っ暗。明かりはヘッドライトとスマホの画面のみ。前の人を見失わな来ようにいざ山頂へ。

 

本八合目 標高3400m

 白雲荘の上にもう一つ山小屋があり、その先。前日夕方に直上に見えていたのにたどり着くまで30分以上かかる。外気は当然10度程度で寒いのだが、常に歩いているため寒さが身にしみるということはなく、途中で一枚脱いだ。

ここから山頂までの間ではここよ御来光館が最後のトイレスポットとなるため、寄れる場合は寄った方が身のため。このあたりだと使用料が300円超えた。
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御来光館前後からは山頂へ向かう人で混雑が激しく、ずっと行列。ヘッドライトが連なって山頂までの道のりがわかる。

 

九合目 標高3600m

白木の鳥居を越えて、残り150m。この最後のたかが150mが一時間以上かかる。岩場をほぼ垂直に上がっていく。渋滞で前も詰まっており、足場を確認しつつ焦らず進まなければその場に立つこともできない。ましてやスペースも狭く、休憩は一切できなかった。少し反れたところで休もうにも案内のおじさんに立ち止まるなと怒鳴られる。悲しい。

混雑の中、寒さと疲労と眠気に耐えてついに山頂に。

 

吉田口山頂 標高3710m

朝4時すぎ。日の出の30分以上前に無事たどり着いた。しかし、既に人で溢れかえっており御来光を見るためのポジション取りが大変。

どうにか機転をきかせて安全な場所で荷物を下ろして座ることができた。同行者は元気で弁当を食べるし、ネット番組の生放送配信を始めた。かくいう私は猛烈な眠気に意識がどんどん遠のいて、心配されつつも「ちょっと寝…る……」と言い残して寝た。今思えばあれは酸欠の意識消失だ。間違いなく意識レベルの低下。危うい。

御来光まであと15分切ったところで凄まじい吐き気とともに意識を取り戻した。完全に高山病である。しかし、御来光まで時間がない、カメラの設定してない!急がなくては!!と、動いていたら吐き気はどこへやら。

 

そうして、朝靄が晴れて地平線から顔を出した太陽はとても美しかった。
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人生観がかわると言うが、残念ながらそこまでの感動がなかった。なぜならこの感動的な瞬間に怒鳴り散らす山頂付近の警備なのか山小屋関係なのかスタッフと思われる男性が複数人いたから。確かに立ち入り禁止のチェーンを越えて座っている登山客が数組居た。しかしその人らを退かすためにまぁ汚い言葉で差別用語を含めて罵倒し怒鳴り散らしてこっちからしたら散々。だったらほっそいチェーンするだけじゃなくて立ち入り禁止の札くらい下げといてほしい。

それでもまぁ写真は綺麗に撮れた。重いカメラ持っていって良かった。
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とっても残念な人達に残念な思いをさせられたけれど、御来光に満足して登頂記念の撮影と焼き印をもらう。

浅間大社富士宮に本社があり、ここは久須志神社と呼ばれている。お鉢をまわると奥宮もあるので時間(二時間弱かかる)と体力が許す人は行くといい。
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目標達成。おめでとう私。(示し合わせたわけでもなくぬいぐるみを連れてきた我々)
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陽が高くなると下界はこんなにも美しいのである。雲の量によっては雲海みたいになるんじゃないかな。
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記念撮影も済ませて下山。体調もすっかり良く、機嫌もまずまず良い。下り道を間違えないようにしないと別の登山ルート(須走口)で帰ってしまうため要注意。
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基本的に砂利道を下る。くねくねと折り曲がった坂道に足元をとられがち。はじめは砂利の大きさもそこそこあるため、足つぼ刺激されるような踏み心地。朝日がじりじりと照らしてきて標高高いのに暑い。帰りも熱中症に注意が必要。水分が不足している場合は山頂で購入し、補充した方がいい。何せ下山道には山小屋が非常に少ない。つまり、トイレもないのだ。当然遮るような草木もないのでこっそり用を足すことも当然できないので気をつけて。
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赤茶色の砂利道が永遠と続く。全くもって終わりが見えない。時折登ってくる整備や運搬車両に連れて帰って欲しいと切実に願うくらいに終わりが見えない。しかもこの砂利道、ほぼ砂でよく滑る。ちょっと油断したら両足滑ってお尻からずどん。どうやら道幅いっぱいにジグザグに小走りに駆け下りるのが正解らしい。くねくねの道をくねくねと進むため1.5倍の距離を歩いた気がする。

ところでこの帰り道、事前調査では3時間ときいていた。なので6時過ぎから余裕をもって降りようと、下山し始めたのだが一向に八合目以下にたどり着かない。集合時間は11時。着替えや荷物整理もあるため1時間前には到着したいのに全然終わらない。ここで推測するにどうやら、吉田口への分岐点から3時間のもよう。のんびり帰っている余裕がないことを気づき、半ば走るように下山。しかも七合目から六合目は下山道のにもう一回登り坂が登場する。そんなの聞いてないし、ここまできて登りなんて…という絶望も凄い。

六合目から五合目までは行きと同じルート。ここでようやく10時なので所要時間4時間もかかっている。しかし、六合目の焼き印を持っていない我々は星観荘へ寄らなければならない。ギリギリの足で林の中を歩き、追加の焼き印も得る。そして、行きと同じ道なのに晴れているから全く違う道を歩いたかのような気分で五合目富士スバルラインへ帰還。集合20分前でぎりぎり。
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本当に本当に下山がつらくて。今思い出しても本当に嫌で、次も登りたいけど下りたくないってくらいに下山がつらい。あまりにつらくて喧嘩になるんじゃないかと思うくらい自分の不機嫌を自覚したけど耐えた。とってもつらかった。

 

こうして無事、相方が合計7回生放送している横で茶々入れながら富士山登頂に成功。アラサー女子達はまた一回り強くなった。帰りの温泉がぱんぱんに張った筋肉とたまった乳酸にシミる。新宿へ戻ってきてから飲んだビールも最高に美味しかった。
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まとめ。

  • 登山初心者でも時間はかかるが登れる
  • 行く前にちょっと足腰鍛えた方がいい
  • 山小屋は大変
  • 御来光は綺麗
  • 登山客はインターナショナル
  • 下山がつらいすこぶるつらい
  • 帰りに温泉つけるの最高
  • 翌日も休みを取らないと全身筋肉痛で全然動けない
  • 荷物は全部スーツケースに入れていくと帰りも楽 
  • どんなに辛くても機嫌を取れる対策が必要(お菓子とか音楽とか)